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伝統織物『ビナクル』の里 7  ナグバカラン村 

伝統織物『ビナクル』の里7    ナグバカラン村 Nagbacalan  2/29●ナグバカラン織物協同組合を訪問

伝統織物『ビナクル』の里巡りの最後の訪問地。イロコスノルテ州パオアイ市は、ラオアグ国際空港の南に位置します。ナグバカラン村は、パオアイ湖国立公園に隣接する風光明媚な土地です。ナグバカラン織物 協同組合(Nagbacalan Loomweaving MPC)は、パオアイ湖のほとり、国道沿いにありました。国道から坂を3-4分上ったところに組合の工房兼代表の自宅があります。

 工房では、カラフルなイナベルが織られていました。

職人のための織物協同組合を立ち上げる

代表のチャリト・カリガ Charito C.Cariga さん(87歳)は、現在約20人の村の織職人を束ねる協同組合のリーダーであり、女性起業家です。この土地でも家で家事をしながら織っている女性が多く、男性の織手さんも数人いるそうです。

チャリトさん87歳。
イロコス地方に昔から伝わる双頭の鷲のデザインのイナベルを見せてくださいました。刺繍のように見えますが織で表現されています。

チャリトさんは、国立フィリピン大学卒業後ご主人と出会い結婚。軍人だったご主人と1990年代アメリカで過ごしましたが、1999年にご主人の退役後に帰国。
そのとき、村人から村の活性化のために力になってほしいと頼まれ、古くから村に残るイナベル織を後世に残そう!と思い、政府の助言を受け、織人をまとめて協同組合を組織したそうです。その後、政府の援助により工房が完成。チャリトさんは、政府との折衝や製品の販売PRなど、対外的な役割を担ってきたとのことです。

工房の壁には、組合の目的やミッションをはじめ、組合の役割分担表などが掲示されていました。

村では、当初は昔ながらのブランケットや枕カバーなどを製作していましたが、その後は、一般市場に需要のあるプレースマットやテーブルナプキン、バッグ、ミニポーチ、ドレス素材などを次々に製品化してきました。マニラのGREAT WOMENからも注文を受けているとのこと。最近はユーチューブなどを参考にしてデザインを研究しているそうです。

現在は、原材料の糸の調達に苦労しているとのことです。国内の原材料が不足しているので、台湾から糸を購入していますが、原価が上がると、製品の価格も値上がりしてしまうのが大きな問題になっています。テーブルウェア類は、ポリコットンの糸を使用。

織物や製品は、地域のイベントやラオアグ国際空港の売店などで販売しています。地元だけでなく、マニラで開かれるデパートのイベントや国際見本市などにも参加して販売し、地域の織の存続のために精力的に活動しています。
組合組織を作ることで政府や自治体からの情報が届き、同じイロコス地域のサラット協同組合とも協力し合ってイベント出展されているようでした。バラバラだった職人さんを組織化し、お互い学び合い知恵を出しあう機会をつくったことは村の活性化に大きく寄与してきたこととだろうと想像します。ショールームにはプレースマットやテーブルウェアなどカラフルなイナベルの製品がきれいにストックされていました。

 

チャリトさんをみんなで囲んでインタビュー。理路整然と話されるとても知的でエネルギッシュな方でした。ご高齢ですが、風格ある現役リーダー。カリガさんの妹さん2人は、難しい織もこなす達人。しかし、後継者育てはかなり難しいと話されていました。若い世代に織を継承したいけれど、ITに興味がある若者は多いが、織に関心を寄せる人は少ないそうです。それでも8歳の孫が最近織を習い始めたとうれしそうに笑顔で話されていました。

二つの頭をもつ鷲は、花と星のモチーフといっしょにデザインされています。
コンクリート造りの織物工房は、政府の支援を受けて建設されました。

 

・伝統織物『ビナクル』の里を訪ねて No.1からNo.7 イロコス地方の織物工房訪問記です。

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