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祝ノーベル平和賞受賞 マリア・レッサさん(フィリピン)

フィリピンのジャーナリスト、マリア・レッサさん(58)が2021年のノーベル平和賞を受賞しました。強権的な政治に向き合う粘り強い調査報道により、表現の自由を守る努力をしてきたことが評価されました。

マリア・レッサさんはネットメディアの調査報道機関「ラップラー」の共同創設者で、精力的な活動でフィリピンにおける権力の乱用や汚職、暴力行為などの実態を取材、報道してきました。ドゥテルテ政権が最重要施策とした「麻薬撲滅戦争」で、司法手続きを経ない逮捕や殺害を繰り返してきた実態や、SNSを利用した政権側による世論誘導の疑いなどの報道を続けました。2018年には米タイム誌の「今年の人」にも選ばれました。

しかしその結果、彼女は政権からは名誉棄損や詐欺、脱税などで訴えられて2度逮捕され、数件の裁判も進行中とのこと。国内では現政権の与党、多くの支持者から「政敵」ともいえる彼女への批判や中傷もSNS上で集中しているとのことです。刑事被告人である彼女が無事出国できて、ノーベル平和賞授賞式に臨めたことをお祝いしたいと思います。

以下、彼女の受賞演説の要旨です。

「真実を届けるために犠牲を強いられている世界中の記者を代表して、みなさんの前に立ちます。多くの記者は助けもないまま、人知れず迫害されています。政府がその責任を問われることはありません。テクノロジーがそんな状況を加速させているのです。私たちは、いま行動しなければ何が起きるか想像する勇気を持たねばなりません。

ラップラーに対する攻撃は5年前、ドゥテルテ大統領の麻薬戦争とフェイスブックに対する責任逃れに終止符を打つことを要求したときに始まりました。フェイスブックは世界最大のニュース配信事業者であり、さまざまな研究が示すように、怒りとヘイトに飾られたウソを事実よりも速く広く拡散します。情報を拡散する米国の企業は意図的に私たちを分断し、過激にしているのです。

事実がなければ、真実を知ることはできません。真実がなければ信頼は生まれません。信頼がなければ、共有できる現実も民主主義も存在しない。

私は記者であるだけで、残りの人生を牢獄で過ごすかもしれない脅威とともに毎日を生きています。国に帰れば未来がどうなるかわかりません。しかし、危険を冒す価値はあります。さあ、私たちが望む世界をつくる時期です。目を閉じて、平和と信頼、共感のある世界を想像してください。一緒にその世界を実現しましょう。」

(朝日新聞より)

また、「オンライン上の暴力は現実世界の暴力です。SNS上で起きたことはSNSの中にとどまらないのです」「収益を優先する(SNS)の市場調査が人間の意思決定プロセスを構造的に弱体化している」「(ソーシャルメディアは)私たちを対立させ、恐怖や憎しみを引き出し、世界中で権威主義者や独裁者が台頭する舞台を用意している」と警鐘をならしました。

受賞後の取材では「事実なくして世界が新型コロナウィルスや気候変動を克服できないことを(受賞は)示した」と語っています。

 

日本から見ると、ドゥテルテ政権の人権を軽視した強権政治と弾圧は信じがたいものです。しかし、フィリピンで起きたことは、どこでも起きうることだと気づかされます。日本でもしばしば政権からのメディアへの圧力により表現の自由が脅かされています。権力者の都合のよいように事実が改ざん、隠蔽されています。権力に向き合い、果敢に事実を掘り起こし報道してくれるジャーナリズムは、民主主義社会にはなくてはならないものだと痛感します。

また、彼女の指摘どおり、デジタル時代となりSNSがニュース配信者にとってかわり、大量のフェイクニュースや誹謗中傷が拡散され、垂れ流し状態になっています。SNS企業は利益を追求するだけで、利用者を守ろうとはしていません。ジャーナリストも事実や真実が配信するのが難しい時代、膨大な情報を受け取る私たちも熟慮が必要で、SNS時代の深刻な課題に気づかされました。

フィリピンでは、かつてのマルコス政権の戒厳令下、民放メディアが接収され閉鎖に追い込まれ、メディア干渉は14年も続きました。しかし、市民によるピープルパワー革命(1986年)により、マルコス独裁政権から「民主主義」と「報道の自由」を勝ち取ったという輝かしい歴史があります。あれから30年以上が経過しました。2016年から始まったドゥテルテ政権下では、ジャーナリストの殺害が続き、2020年には、政権に批判的といわれる地上波の大手放送局が免許更新を否決され営業停止に追い込まれ、従業員1万人以上が路頭に迷うという事態も起きています。権力とは容赦なく恐ろしいものです。

しかし苦渋のなかにも新しい動きが出てきました。2021年10月に、ドゥテルテ大統領は6年間の任期満了に伴い、政界引退することを宣言、その後引退発言は翻したものの、上院議員に立候補することを表明しています。かつて市民が勝ち取った民主主義を守るために、来年5月の大統領選で、国民がどんなリーダーを選ぶのか注目したいと思います。

 

マリア・レッサさんが授賞式でビナクル織のジャケットを着用!

授賞式で注目を集めたのは、黒のドレスの上に羽織ったオフホワイトのビナクル織のジャケットでした。聡明なマリアさんにシャープな印象の上品な白いジャケットがよく似合っていました。ビナクル織はルソン島北部イロコス地方で織りつがれてきた伝統織物で、幾何学模様で大自然のパワースポットが3D表現されています。モダンなチェック模様に見えますが、遠くから見ると渦巻き模様(スパイラル)が浮き出るユニークな織物です。このモダンなデザインが300年前に考案されたとは誰もが驚かれることと思います。このスパイラルは悪霊を追い払うミラクルパワーがあるとされています。

私たちのHABI PIDE ブランドでは、このビナクル織を継承をめざす女性グループを応援しています。彼女たちの大きな励みと誇りになったと思います。もちろん、私たちにとってもマリアさんの凛として美しい着こなしが、品格のある伝統織物の魅力をアピールしてくれたことを大変うれしく思いました。

 

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