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9.82022
「フィリピンに学ぶ会」食物サークルの活動@マニラ フィリピン通信19
マニラ在住のTy京子さんからの「フィリピン通信」をお届けします。
「フィリピンに学ぶ会」@マニラのさまざまなサークル活動
フィリピンには1980年から続いている「フィリピンに学ぶ会」通称Filipicaという駐在員の妻たちを中心に活動するグループがあります。文化や歴史を調べたり、日本語を学んでいるフィリピンの学生の日本語会話の手伝い、フィリピンの食材など食事情を学ぶ、福祉団体やNGOと交流してボランティア活動をしたり、その他自主的に興味のある分野で集まってサークルを作って活動をしています。
そして会の編集部では、毎月各サークルの活動報告をまとめたり、フィリピン生活の知恵となる特集記事を載せたニュースレターを発行していました。
コロナ禍で活動がストップ、昨年からオンラインで活動開始
コロナ禍になってから集会が制限され、メンバーの多くが避難帰国したまま、いまだにマニラに戻れなかったり、そのまま本帰国になってしまった方もありました。会の活動は暫く麻痺状態でした。
皆で集まっての活動が出来ずにモンモンとしていたメンバーが、昨年オンラインでの活動を始め、「免疫力を付けてコロナに負けない体を作る講座」とか、「フィリピンの織物」や「アンティーク家具」についての講座、「フィリピンの野菜の使い方講座」などを繰り広げています。オンラインですので日本に一時帰国中のメンバーも参加でき、久々にお互いの顔を見ながら話が弾みます。
待ちに待った対面での「野菜料理講習会」
日本で作るフィリピン料理💛フィリピンの材料で作る和風料理
3月に規制が緩まったものの集まることに不安はありましたが、5月以降には集まって行動する機運が高まってきたので、食物サークルでは、6月末に2回に分けて対面での野菜料理講習会を開くことにしました。
紹介したのは日本にいても作れるお料理です。日本の夏の市場にはフィリピンの常備野菜がいくつか並ぶようになってきていますね。モロヘイヤ、ツルムラサキ、空芯菜、パクチーなど以前は稀だった野菜が常に棚に並ぶのは嬉しいです。所によってはグリーンパパイヤが並ぶところもあるとのことです。これらの野菜を使ったメニューをご紹介します。
*グリーンパパイヤ
パパイヤにはパパインというたんぱく質分解酵素が含まれています。千切りにして甘酢に漬けた「アチャラ」は肉料理の付け合せには欠かせません。
千切りパパイヤに人参と油揚げを加えてきんぴら風に炊くと、まるで切り干し大根の煮物のようになります。
また、薄いイチョウ切りにしてナスやキュウリなどいろいろな野菜と混ぜて福神漬にするとコリコリ感がある美味しい福神漬ができます。
*ツルムラサキ
チョット泥臭さとヌメリが苦手という方、カボチャと一緒にココナツミルクで煮てみてください。味付けはニンニク、ナンプラー、コショウです。ココナッツミルクは生のほうが甘みと香りがあって良いのですが、日本ではココナツミルクパウダーを水どきにしたり缶詰を利用しましょう。むきエビを入れたり、カリカリになるまで焼いた豚三枚肉を加えると一層美味しくなります。
ツルムラサキはビタミンや鉄分が豊富で夏バテ対策にはとても良い野菜です。 レシピを参考に作ってみてください!
❤GINATAAN KALABASA (かぼちゃのココナッツミルク煮)
<レシピ>
材料:
カボチャ 500g
ニンニク みじん切り 2片
タマネギ(小)薄切り 1個
トマト(中) 乱切り 1個
豚肉又は海老(殻つき) 200g
ツルムラサキ 1束
ココナッツミルク(テトラパック又は缶)1パック (パウダーのときはぬるま湯で溶いておく)
パティス*またはナンプラー 大さじ1強 (白だしまたは塩で代用できます)
油 塩 コショウ
*イワシを塩漬けにしたエキスから抽出されたパティスは、フィリピンを代表する調味料のひとつ。タイのナンプラーやベトナムのヌョクマム同様、「魚で作られた醤油」として知られています。
作り方:
- 豚肉は細切れに切り、塩コショウで下味をつけておく。海老を使う場合は殻つきのまま、ひげと背ワタを取っておく。
- カボチャは、皮が硬いときは皮をむき一口大に切る。ツルムラサキは葉を摘んでおく。
- 中華なべに油少々を入れて熱し、豚肉をカリカリになるまで炒め皿に取りだす。
- 鍋に残った油でニンニクを香りが出るまで炒める。タマネギを加えて炒め、透きとおってきたらトマトを加え、さらにカボチャを加え炒め合わせてからココナッツミルクを加え、カボチャにほぼ火がとおるまで煮る。途中で豚肉を戻し、パティス(またはナンプラー)、コショウで味をつけ、最後にツルムラサキを加える。ココナッツミルクを少し残しておいて最後に加えると香りが良くなる。
*海老の場合は、ニンニク、タマネギを炒めた後、海老を一度ざっと炒めたら別皿に取り出しておく。 カボチャを加えてサッと炒め合わせ、ココナッツミルクを加え煮て、途中パティス(またはナンプラー)とコショウで味を調え、ツルムラサキ、海老を加えて火が通るまで煮る。
*ツルムラサキが手に入らないときはほうれん草や小松菜で代用しても良い。
*モロヘイヤ
中東では王様の野菜として珍重される野菜です。どう使ってよいか分からないという声を聞きますが、いちばん簡単なのはさっと茹でた葉をミキサーやハンドブレンダーでトロロにします。小分けにして冷凍にしておき、刻みネギと一緒に納豆に混ぜたり、山芋の代わりにお好み焼きのつなぎ使ったりしています。
フィリピンではナスやトマト、オクラ、ハヤトウリなどと一緒にスープ煮にする北部ルソンの「ディニンディン」という料理が有名です。
日本の夏も終わりに近づいていますが、夏野菜が出回っている間にぜひお試しください。
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Ty 京子 プロフィール: Kyoko Ty
東京都出身。1974年に渡比。フィリピンに在住する日本人グループ「フィリピンに学ぶ会」の「食物サークル」に参加して、フィリピン料理や食材の勉強会などを行っている。