- Home
- イベント/活動レポート Report, 商品について Product, フィリピン出張 Trip, アバカ(マニラ麻) Abaca, フィリピン伝統手工芸 Ethical Craft, パートナー団体と支援プロジェクト
- REPORT② フィリピンの生産者を訪ねて パナイ島 アバカ(マニラ麻)スリッパの巻①
ブログ
2.222015
REPORT② フィリピンの生産者を訪ねて パナイ島 アバカ(マニラ麻)スリッパの巻①
パクパクのロングセラー商品「アンキットレースのスリッパ」は伝統のアンキット模様「日の出」をモチーフにした美しいデザインのスリッパです。夏、素足ではくと、ひんやり、さらりとして、とても心地よく、年々ファンが増えています。2013年11月のスーバー台風で材料のアバカ麻が全滅し、昨年はお届けできませんでした。現在も材料不足が続いていますが、少しずつ製作が再開されていてうれしく思いました。
アクラン州都カリボから車で約30分ほど走った田んぼが広がるのどかな農村地帯。スリッパ生産者グループはベテラン・ベリカ(65)さんの家の庭先でリーダーのブランディアさん(73)と30代の若手2人も集まって、スリッパ製作の実演をしてくれました。
村のようす。新築の家も目立ったが、スーパー台風の強風で 大半の家の屋根が吹き飛んでしまっため、再建中。 |
生産グループの中心メンバー。ベテランのブランディアさんとベリカさん(右の二人)は、 6-7歳のころから母親に習って、スリッパ作りを受け継いできた。農家の貴重な現金収入になっています。 左端はウスワグ財団の品質管理部門のヘディさんで、週に一回打合せをして、 パクパクの要望など細かな修正点を伝えています。 |
スリッパの製作手順 ① ソール(足底部分)作り・・・・糸作りと三つ編みロープの準備
アバカ麻の繊維。髪を梳くように櫛で丁寧にとかして艶を出します。 ふだんはマーケットで購入しているが、台風後は材料不足で価格が高騰しているため、 ウスワグ財団が材料の一部を届けています。 |
アバカ繊維を4-5本どりにして糸をよる。ピンで片側を留め、膝の上で1本ずつ糸作り。 時間のかかる「糸より」作業から始めていることを初めて知りました。
|
撚(よ)った糸を束ねて平らな三つ編みロープを作る。ソール(足底部分)用。 同じ力加減で編み上げ均一なロープに仕上げるのがポイント。 ベテランのブランディアさんの映像です。73歳とは思えない若々しさです! |
②ソール(底部分)作り・・・三つ編みにしたアバカ麻を底の型紙にぐるぐると沿わせていき、アバカ糸でしっかりと縫い合わせて成型していきます。でこぼこしないようにフラットに縫い合わせるのは難しい。熟練の技。この麻のソールを2枚作り、間に板底を挟みこんで抜い留めていく。すべて手作業で、底部分は一日一足分作るのがやっと。
③ソール(足底部分)作り・・・底板はBark(木の皮)を利用しています。木の皮を足型に合わせてカットします。5-6枚重ねて使いますが、自然のうねりがあるので、同じ厚みに左右セットするのは難しいのです。へたらずに自然のクッションが快適なスリッパですが、ハンドメイドの差異があります。
糸作りからここまでもたいへんな根気が必要で、時間もかかります。手間を厭わず、丁寧に仕上げていきます。彼女たちはおしゃべりしていても、手が止まることはありません。
製作作業は続きます・・・・次回はUpper(甲部分)作りのご紹介です。