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EVENT 七千の海 二百の民ーフィリピンの布と籠』展を終えて

針仕事の専門店「ワサビ・エリシ」(東京・世田谷区)にて開催の『フィリピンの布と籠』展を終了しました。たくさんの方々にご来場いただき誠にありがとうございました。

フィリピンは成田から飛行機でわずか4時間半で行くことができる隣国ですが、日本ではフィリピンの多彩な伝統文化や人々の生活が紹介されることが少なく、とても残念に思っています。
今回は、アンティークのかごや手織り布の多くのコレクションをもつ「Nayon」さんとコラボし、フィリピン各地の伝統工芸品をご紹介することができました。

藤や竹でていねいに編み上げられたかごや筒は、日常づかいで鍛えられた「用の美」をやどし、野趣にも富み、作り手のぬくもりを感じることができます。
各島の部族の個性的な色遣い・文様の手織り布は、どのように現地で使われてきたのか、フィリピンの織物の本の写真をお見せしながら、説明させていただきました。

来場された男性からは、「こんなにたくさんの島があるなんて初めて知りました。それぞれの民族の豊かな文化に触れて感動しました。今日からフィリピンのイメージが大きく変わりました。これからも関心を持って見ていきます」と率直な感想を頂き嬉しく思いました。

日本同様、作り手の高齢化や自然素材の減少で消えつつある伝統の技、今後もささやかながら、地域の環境を守り、伝統手工芸の継承を目指すNGOと協力して、商品開発や販売支援をしていきたいと思います。今後ともご支援よろしくお願い致します。

天女の羽衣にもたとえられるパナイ島特産のピーニャ(パイナップル布)。アンティツク・テーブルクロスは外の木々の緑にに映えます。野生のパイナップルの葉から細い繊維を抽出し根気よく結び、織りあげるという骨の折れる作業を経て生まれる美しい布。その透明な布をさらに美しく立体的にみせる刺繍技法や糸を抜く精緻で華麗な刺繍もみごと。

スペインの植民地時代にとくに珍重されたピーニャ布。いったいどんな人が織り、刺繍をしたのだろうか?何日くらいかかったのか?そして、どんな家族が使っていたものなのか想像がふくらみます。

ミンダナオ島の山岳民族ティボリ族の女性たちにより織り上げられる布「ティナラク織」。糸芭蕉(アバカ麻繊維)を草木染し、腰機で織り、最後は艶出しのため宝貝でなめす。仕上げまで約3か月、自然の知恵が詰まった手織物。世界で数少なくなった全行程を一人で織り上げる貴重な布。100種類以上もある伝統模様は夢のお告げを織り込んでいる、といわれる。フィリピンを代表する伝統布。
左:パナイ島特産のピニーャ(パイナップル布)に一面に刺繍を施したスカート生地とブラウス。現在でもウエディングドレスや正装のドレスやシャツに使われる。
手前の赤い布はルソン島北部イフガオ地方カリンガ族の伝統布。マザーオブパールの貝片がちりばめられている。壺型の蓋つきイラヤ・バスケットはミンドロ島のマンギャン族の伝統工芸。

 アンティークのピーニャのブラウス。ブラウスの花模様は刺繍ではなく糸を差し込む伝統的な技法PILI(ピリ)。非常に手間のかかる難しい技法といわれ、技術の継承者は途絶えてしまったといわれる。

テーブルにかけられた布は、ルソン島北部アブラ地方のイトゥネグ族のブランケット。ピーニャのハンカチ、藤や竹の小物入れ、編みビーズの装飾品など、どれも長い年月、代々引き継がれてきた伝統の技が光る。

                          
                      

*NAYON:ナヨンについて
  フィリピン文学や児童書の翻訳家であり、「子ども文庫の会」を主宰してきた山本まつよ氏(96) が、前職アジア財団勤務中に、フィリピンの手仕事の数々に魅了され、40年以上にわたり蒐集し、紹介してきたコレクション。ナヨンは、タガログ語で『村』という意味。

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