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REPORT④ フィリピンの生産者を訪ねて パナイ島  ピーニャ工房

パナイ島アクラン州カリボのピーニャの工房を訪ねました(2/3)。
ピーニャ:Pinaは、天女の羽衣にもたとえられるアクラン特産の伝統布です。原生パイナップルの葉の繊維を紡ぎ、ゆるゆると織り上げる半透明の布。このパイナップル繊維は、世界でいちばん細い植物繊維ともいわれています。

テレビや雑誌などでフィリピンの大統領が着ている半透明なシャツブラウスを目にした方も多いかと思いますが、繊細な刺繍やカットワークが映えることから、フィリピンでは男性の正装・バロンタガログ(長袖のブラウス)やウエディングドレスやパーティードレスなどに用いられています。

刺繍やカットワークがほどこされたブラウス

カリボ市街地から車で20分ほどの郊外にショールームと工房があります。
代々ピーニャの織を受け継いでいる旧家です。

庭にはバナナやパパイヤなどの植物が植えられ、緑があふれる安らぎの空間 

 ショールームには、ピーニャやアバカ(マニラ麻)で作られたバッグや手刺繍が美しいショールやブラウスが展示されていました。
ウェディングドレスやパーティードレスのデザインをしている
デザイナーのBogzさん。ピーニャが織り上げられる工程を説明してくれました。

原生パイナップルの実は小さいが、葉が細く長く、繊維を取り出すのに適していました

パイナップルの葉から繊維を取り出す過程はとても複雑で時間と手間がかかります。
葉脈繊維をココナツの殻や陶片で葉を丹念にこすって取り出します。しかし、繊細なピニャ布に使える繊維はわずか25%のみ。取り出した繊維は川で洗い、天日で干します。天日で干すことで白く漂白された糸を一本、一本手で結び紡ぎます。織を含めてすべて手作業で行われ、スペイン統治時代から400年もの間、親から子へ、子から孫へと脈々と受け継がれてきました。

縦糸と横糸をピーニャを用いると「純ピーニャ」になりますが、現在では切れやすい縦糸を絹糸を変えたシルクピーニャが主流です。工房では、アバカ(マニラ麻)や綿を用いてさまざまな布も織りあげられています。
 
    
織機に糸をかける準備に1週間。そして、1m織り上げるのにベテランでも1日半かかります。
目に見えないくらい細い糸を通し、竹のペダルを踏みながら、布がゆっくり、ゆっくり織り上げられて行きます。静かな工房に、ガタン、ゴトンと竹のペダルを踏む音だけ響き、織手さんたちが真剣なまなざしで織り上げていく様子はとても神聖なものに感じました。この技術が今後受け継がれていくことを願ってやみません。
 
この動画は私たちの注文を織っているところ。ピーニャと野蚕コクーンを織り入れる変わり織り。とても手間がかかることがわかりました。
 
打合せではいろいろな植物繊維を組み合わせて織り上げた布を見せてもらいました。

この工房は世界フェアトレード連盟に参加。フェアトレード基準を遵守し、
環境に負荷の少ないアゾフリー染料を使用しています。
 
 
 
 

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