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5.122019
REPORT 世界フェアトレード・デーにSDGsを考えよう 5/11に参加
『世界フェアトレードDayにSDGsを考えよう! –オーガニックコットンの現場から–』。(主催:Textile Exchange、ACE、ピープルツリー/グローバルビレッジ)
会場の聖心グローバルプラザは、200人の参加者で満席でした。以下一部をご紹介。
アメリカテキサス州でオーガニックコットンを栽培し、またTextile Exchange代表でもあるLa Rhea Pepperさんと 理事の稲垣貢哉さんの講演等々のプログラム。サスティナブル(持続可能)なコットンについて学びました。
テキスタイルエクスチェンジ(以下TEと略)とは、テキサス州に本部を置く非営利団体。オーガニックコットンの普及啓発を目的に2002年に活動を開始し、約320の企業が加盟。少しでも環境や社会への悪影響が少ない取り組みを目指し、バイオベースのオーガニック/リサイクル繊維の売り上げ促進にも取り組んでいます。
オーガニック栽培農家への社会的経済的な恩恵は大きい。 |
Pepperさんのお話で印象的だったのは、「死のコットン」という表現。綿花の栽培にはとても手間がかかり、栽培の段階で、化学肥料に防カビ剤、殺菌剤、除草剤、殺虫剤、落葉剤と大量の薬剤が使われているということ。綿花の栽培は世界の耕作地のわずか2.5%なのに、世界の殺虫剤の約16%、農薬全体の約7%が使われてます。栽培する農家の人たちの健康も環境も大変な危険にさらされているわけです。この害を少しでも減らし持続可能な農業にしていこうというのがTEの活動です。
希望のデータと思われたのは、綿花は1Haあたり、約778kg収穫できるそうですが、これはオーガニックコットンでも達成が可能だとのこと。とくにアフリカでのオーガニックニックコットンの生産は急伸しているとか(買い支えているのはドイツ)。
ただ、オーガニックコットンの生産量は全体のわずか0.5%、フェアトレードは0.06%、サスティナブルな取組のコットン全体合わせても約18%。一番の問題は、「欲しがる人がいない」「価格が高い」ということ。消費者の意識改革が求められています。
TEでは、オーガニックコットンの認証制度の管理に力を入れています。 認証基準を利用し登録している企業は世界各国で6000以上。 消費の裾野を広げていくには、わかりやすい認証マークは必要だと実感しました。 |
写真上のおなじみロゴマークの大手ブランドでは、SDGs達成をめざし、2025年までに100%持続可能なコットンの調達をめざしているとのこと。これはインパクトのある目標設定です。大手企業・ブランドの取り組みと私たち消費者の支持が持続可能なコットンをつくります!
ピープルツリー代表取締役のミニージェームスさんのフエアトレードの取り組みの講演 『作り手から買い手までをつなぐビジネスの挑戦』について 電力を使わないこと、大きな資本投下がいらないこと、伝統技術が継承できること、できるかぎりオーガニックであること。ピープルツリーでは、味わい深い手仕事による製品作りを細やかに支援、共に製品作りをしてきました。 |
明治大学農学部岡ゼミの学生たちによる発表 脳科学を生かしてPR? |
●パネルディスカッション『オーガニックコットンとフェアトレードの広め方を考えよう』
社会に「オーガニック」や「フェアトレード」をもっと広めていくにはどうしたらよいか? 消費者の心をつかかむには??
大変興味深かったのは、岡ゼミの学生たちの発表。
フェアトレードもそうですが、オーガニックコットンも意識ある消費者にはすでに支持されていますが、次には潜在顧客をいかに掘り起こすか。上手に呼びかけて獲得したい。ということで、脳科学の視点から、多幸感を与えてくれるという「オキシトシン」ホルモンに注目。
オーガニックコットンの栽培などの背景のストーリーをきくことで「買ってよかった、使って幸せ!?」という気持ちがわいてくるのかどうか? 大学祭などで実験中だそうです。インドのオーガニックコットン農家も訪問して学んでいます。ぜひ、継続して研究を続けてほしいです。
パネルディスカッションは、所用のため、10分くらいしか発表を聞けなかったのが、残念でした。
私たちの活動でも、消費者にどのようにフェアトレード゛を知ってもらい、行動につなげてもらうのかが、ずっと大きな課題になっています。フェアトレード商品は増えていますが、価格に見合う商品の素晴らしさやや食品の美味しさが広く認知されていないのが現状だと思います。改めて消費者教育、広報にも力を入れなくてはと思いました。