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フランスのフェアトレードレポート パリParis編

フランスのフェアトレード レポート 2012年3月

フェアトレードラベルが市民の生活に浸透

世界のフェアトレード(以下FTと略)商品の小売り推定売上げは、ヨーロッパが64%を占めるといわれています。フランスはイギリスには及ばないものの、10年前に9%だったFT認知度は、2007年には81%にのび、急成長しています。

フランス観光局のHPでは「地球にやさしいパリ観光」(宿泊や移動、食事、ショッピングの際に環境に配慮すること)が具体的に紹介され、将来のパリ観光がめざす目標にもなっていることがわかります。グルメとショッピング情報のページでは「オーガニック&フェアトレード」のレストランやカフェ、洋服やインテリアショップが紹介されています。その情報をもとに、パリ市内のFTショップを訪ねてみました。

Alter Mundi(アルタームンディ)は、FTショップネットワーク(カフェを含む)を率いる老舗のショップ。リーダーのNicolas Messioさんは、ビジネススクールを卒業後に起業し、スタッフには障害者や薬物依存回復者など社会的な弱者を雇用して自立支援も行っているそうです。マーケティングに力を入れており、データによると、顧客は75%が高学歴で社会意識の高い20代の女性とか。また、フランスには、PFCE(Plate-Forme pour le Commerce Equitable: FTのためのフランスプラットホーム)という39団体が加盟するFT推進をする共同体組織があるそうですが、こちらも30代の女性たちのチームが中心になっているそうです。彼女たちの多くが学位をもち、途上国で数年暮らした経験があり、高いモチベーションを保ちながら活動しています。女性の社会進出が当たり前のフランスでは、若い世代の女性パワーがFTを支える担い手になっているようです。

 

▲パリ11区バスティーユ近くのAlter MundaiアルタームンディFTショップ。スタッフのAichaさん。インテリアの飾り物やアクセサリー、バッグ、男性用の靴やTシャツ、リサイクル商品など。アフリカやスペイン、カンボジアの製品が多い。全体的な商品数は日本と同じくらいかやや少ない印象。オーガニック&FTカフェの支店が人気だという。観光局HPリスト掲載のFTショップは移転や閉店も多く、商売の競争の厳しさもうかがえた。

 

スーパーマーケットで気軽に選べるFTの食品

共働きが大半のフランスでは、週末に一週間分の大量の食品をまとめ買いします。ほとんどの大型スーパーでは、FT商品を扱っていて、オーガニック食品(BIOマーク)の店でも入手できます。FTラベル商品は8%ほど割高だそうですが、安全でおいしいこともあって消費者の支持を得ているようです。
写真の商品群を供給しているEthiquable(エティカブル)社は、2003年に生産労働者協同組合として設立され、スーパーE.ルクレールやスイスのチョコメーカーと組み、わずか5年でフランス最大の売上げをほこるフェアトレード企業に成長しました。取引先の生産者は、ボリビア、ペルー、アンデス、エクアドルといった中南米の国々が中心。グリーンを基調としたパッケージには、生産者の笑顔の写真と地図が必ず入れられています。

▲アンデスの原種のポテトチップス。生き生きと働く生産者の笑顔の写真が好感度大のパッケージ。

フランス人が大量に消費するチョコレートは、とくに充実の品揃えです。カカオ生産国は、ハイチ、マダガスカル、ニカラグア、ペルー、エクアドルなど5カ国。ブレンドも65%から80%まで5種類。さらに、ゴマチョコ、スパイスチョコ、キヌアやスフレの雑穀チョコなど、ミネラルたっぷり、買ってみたいなと思わせる、日本でも受け入れられそうな魅力的な商品群でした。エティカブル社の急成長の原動力のひとつには、消費者の心をつかむすぐれた商品開発力もあるのでしょう。FTラベルによって、身近なスーパーで買える仕組みづくりに力を入れたことで、一般市民の「選ぶ」という社会的な消費行動につながっているのだなあと実感しました。

フランス高速鉄道TGVの車内で販売されていたFTチョコレート。

 

なお、フランス高速鉄道TGV車内の売店でもFTチョコレートを発見! また、ホテルのドリンクバーのティーバックもFTラベル商品が採用されていました。これは、フランス第二のFT輸入会社Arter Eco(アルテルエコ)社のもの。トリスタン・ルコントさんが1998年に創業、FTショップの経営に失敗した後に方向転換し、大手スーパー”モノプリMonoprix”やコープアルザスと組んで商品開発し、FT食品を売り込み、販路を確保するビジネスモデル作りに成功しました。2006年からはアメリカとオーストラリアで営業を開始し、日本でも販売が始まっているそうです。こうした公共機関や大手企業と連携してFT商品の開発や商品採用を進めていく販売戦略も重要だと感じました。

エティカブル社は、世界のFT輸入団体の販売額(2007年)のなかでは第10位で1億7.800万ユーロ。アルテルエコ社は第11位で1億6.800万ユーロ。ちなみに、日本のオルタートレード社は第15位に入っており、1億2.400万ユーロ(2006年)と健闘しています。
フランスも日本も同じころにフェアトレードの活動が始まったといわれますが、FTラベルの認知度はフランスが約80%に対して、日本は15%以下(2008年)といわれ、FTラベル商品の国民一人あたりの推定購入額はフランスが534円、日本は8円です(2007年)。日本では実際の市民の消費行動に結びついていないという大きな問題があります。

日本では2004年にイオンが自社ブランドでFTラベル商品の取り扱いを開始して、ナチュラルローソン、タリーズ、無印良品、西友など多くの会社が後に続いています。企業の協力で魅力的な商品を開発して販路を確保し、身近なスーパー等で商品が買えるような仕掛け作りが必要だと思われます。日本の若い世代のFTに対する共感や関心は高まっていますが、日本に合ったビジネスモデルを模索し、つくりあげていくことが大きな課題だと感じました。
(遠藤)

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