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7.62007
キルス財団(KILUS) のフェアトレード アンディ・サンチャゴさんにインタビュー! 2007.7.6.
アンディ・サンチャゴさんにインタビュー!! 07.7.6.
ジュースパックをリサイクルした商品作りは、フィリピンの貧困地区の収入向上プロジェクトとして、現在、多くのNGOが手がけています。しかし、材料を定期的に集め、商品の質を保ちながら仕事を持続させていくのは難しいのが現実です。ウゴン地区では、行政と住民が力を合わせて環境美化運動とリサイクル事業を両輪としたまちづくりに取り組み、めざましい成果をあげました。このプロジェクトを育ててきた前ウゴン地区長で現パッシグ市議会議員のアンディさんと現地区長の息子のアレックスさんにお話を伺いました。
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キルス財団について
パッシグ川沿いのウゴン地区。1997年、地区長のアンディ・サンチャゴ氏と妻のエディサが中心になって「川沿いで一番清潔な町にしよう!」と美化運動を始めました。行政と市民が連携して、ゴミを拾い集め、不燃ごみの分別の仕組みづくりに取り組み、ノウハウの改善と努力を重ねました。地区の500人の女性の力が結集し、2年後には KILUS (ゴミを分別し、削減し、再利用するという意味) というNGOとして政府登録するまでになりました。今やリサイクル商品作りでは200人の雇用を生み出し、そのアイデアと実践を高く評価され、世界17カ国に輸出しています。
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KILUSには世界中から注文が集まり、現在仕事がフル回転のようですが、成長し続けていらして素晴らしいですね。
ありがとうございます、しかし、やはり注文には波があり、売上実績も右肩上がりというわけではありません。とくに初めたころは品質が悪く、返品だらけで、その処理だけでも大変に苦労し、手間取ったものです。その経験から、皆で改善を少しずつ積み重ね、仕事の質が向上していったのです。
KILUSの成功している秘密は何だと思いますか?
成功のポイントは、2つあると思います。ひとつは、働いている人たちに利益を最大限に還元していることです。働いた人は、その人の力によって見合った収入を得ることができるのです。それが、財団組織と働く人たちの信頼関係を深めています。ですから、組織としての取り分は少なくなっていますね(笑)。
もうひとつは、『5-S活動』を実践していることだと思います。これは日本の工場の生産現場で培われたノウハウで、『整理・整頓・清掃・清潔・躾(習慣)』の頭文字Sをとって5-Sと呼ばれているものです。KILUSのメンバーは、全員、家の周りの掃除や裏庭の掃除の仕方などの衛生教育と環境教育を受けることになっています。毎日の清掃や整理整頓など、決められたことをきちんと実行するのはたいへんなことです。5-Sの習慣を身につけるためには、躾(しつけ)をするということす。それは毎日のトレーニング、訓練であり、それを確実に積み重ねていくことです。
組織がうまく動くためにどんなスタッフ教育をされていますか?
日々の訓練、トレーニングだと思います。とにかくスタッフがミーティングを重ねて問題点を話し合って改善をしています。また、毎週月曜日には、大切なお祈りの時間があり、私は神に強く祈っています。
私たちは今日、4時間かけてオフィスでスタッフと打ち合わせをしていましたが、他地域からの視察グループが何組も訪問していました。彼らには商品作りのノウハウを教えているのですか?
視察グループは毎日のようにオフィスにやってきています。私たちは、自分たちのすべての経験をみんなで分かち合っているのです。”Share it.” ゴミの削減は、フィリピン各地でみんなが取り組むべきことであるし、仕事があるということはすばらしいことです。私たちはすべてをオープンにしていて、隠すことは何もありません。”Everything open! ” ”No secret!” どうぞ、私たちを真似て学んでください。“Please copy us!”
しかし、マニラでもあちこちのグループがジュースパックの商品を作っています。競争も激しくなり、売上げが減りませんか?
一時的に競合することはあるでしょうが、仕事をコンスタントに継続していくのは大変なことです。KILUSはノウハウを独自に培って長年実践してきました。これは、一朝一夕にできることではありません。もちろん、クライアントからのデザイン提供など注文の秘密は守りますが、それ以外のノウハウはコピーしてもらってかまいません。そして、それぞれの地域やグループでオリジナルな方法を編み出してゴミ削減と仕事づくりを実践していってほしいと思います。
ただ、中国だけは困ります。中国ではフィリピンのジュースパックを真似てそっくりのパックを印刷し、イミテーションバッグを作って安く売っています。中国には模倣されたくないですね。
KILUSの商品は、センスがとてもいいですね。それに、私たちのデザイン提案を的確に商品に生かしてしてくださいます。専属のデザイナーがいらっしゃるのですか?
スタートのころ、政府機関からデザインのアドバイスなどを受けましたが、その後はクラフト部門のリーダーを務める私の妻、エディサが商品をいろいろと考えています。デザインや商品企画は自分たちでやっています。妻やボードメンバーが毎日のようにデパートに通い、商品のアイデア出しや研究を重ねてきています。いつもスタッフでミーティング! ミーティング! ミーティング! をしているのです。
ウゴン地区はとてもきれいで整然とした印象です。植木鉢の色もそろえているのですか?
<アレックス氏> ウゴン地区は、6つの村(ビレッジ)を合わせて、30の地区(バランガイ)があり、人口は約25000人です。5つのブロック(pukok)分けをして、カラーコーディングしています。これは父のアイデアです。 オレンジ・レッド・グリーン・イエロー・ブルーのHappy Colorといわれる5色を使っています。植木鉢もブロックごとに色を揃えているんですよ。緑を増やすことを奨励しているので、植物の苗も希望者に配布しています。街では毎日清掃するスィーパー係がいます。毎朝、彼らが植木鉢の水遣り管理もしているのです。下水管の清掃も徹底していますが、これは蚊の発生を防ぐものです。下水管のメンテナスはヘルスプロジェクトでもあるのです。
これからの10年の目標は何でしょうか。
<サンチャゴ氏> さらに、ゴミの20パーセント削減をめざすこと。また、ジュースパックに代わるリサイクル事業を考えていきたいと思っています。
<アレックス氏> ウゴン地区では、ハウジングプロジェクトを計画中です。ですから、建築廃棄物を再利用して建築ブロックを作りたいと考えています。もちろんリサイクル事業のための技術開発もしていきたいです。
Mr. Alejandro”Andy”Santiago 氏 パッシグ市議会議員。前ウゴン地区長。
パッシグ市環境保全委員会及びマーケット委員会の委員長を務める。生物学専攻の湖沼学者で、30年前に筑波大学にも研究のため滞在したことがある。政府観光省の環境の部署に勤務し、ミンダナオやラグナなどの湖沼での養殖・開発の仕事を手がけた。学者をリタイアして1997年に政治家に転身した。1997年から、妻のエディサと二人三脚で、まちぐるみの環境改善運動を実践。現在では三男のAlexが父の後を継いで、地区長を務めている。