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ブログ
4.162020
伝統織物『ビナクル』の里 2 サラット村Ⅰ
伝統織物『ビナクル』の里へ サラット村Ⅰ Sarrat
●ビナクル織物 Binakol との出会い
私たちがイナベルのなかでも「ビナクル Binakol 」に魅せられたのは15年以上前のこと。フィリピンの伝統織物を紹介するイベントを行ったとき、ひときわ異彩をはなったのがビナクル織のベッドカバーでした。幾何学模様なのに球体が浮かび上がって見える不思議な布。その頃は英文の解説書も限られていて、詳細はわかりませんでした。ビナクル布は高価(当時で2万円くらい)だっため、そのまま在庫品として保管していました。一昨年からフィリピンの伝統織物を紹介する活動を再スタートさせました。バッグやポーチなど身近に使える商品にしてイナベル織物の魅力をアピールしたいと企画しました。手始めに、ビナクルのベッドカバーからトートバッグを作ったところ、使いやすくておしゃれなデザインがとても好評でした。
そこで、この素晴らしい伝統織物ビナクルをどこかで仕入れられないか、織り手さんを応援できないかと調べ始めました。マニラの国際見本市やフィリピンの織物専門家のもとに足を運んだりして、学びました。すると厳しい現実が。フィリピンでも伝統織物の担い手は高齢化がすすみ、急激に減っているとのこと。そしてビナクルの織元はルソン島北西部に数か所残るのみで、風前の灯、きわめて限られていることもわかりました。フィリピンでも手に入りにくく、高価な稀少布になっていたのです。
2015年に出版されたイナベルの専門書(英文)。カラーページが美しいアート本。 イロコス地方で織り継がれているさまざまな伝統織物やその歴史が紹介されています。 私たちの教科書でもあります。この本を手がかりに専門家に会いに行ったりしています。 |
・ビナクルの魅力を伝えるブランド『HABI PRIDE』をつくる
現在、経済が好調なフィリピンでは、伝統織物への関心も少しずつ高まっていて、とくに若い世代が伝統を絶やしてはいけないと継承に取り組み、いくつかのNGOや個人が伝統織物を買取り応援する小さなプロジェクトを始めていることもわかりました。
なかでも、伝統織物の担い手は、母から娘へと受け継いできた女性たちであることから、女性たちが連帯してエンパワメントしあえる経済的な仕組みを作ろうと活動しているのがマニラの「グレイトウーマン:GREAT WOMEN」というグループでした。
彼女たちは伝統布を継承する零細な織元を積極的に支援しており、私たちはGREAT WOMENを通してビナクル布を何度か注文することができました。そして、『HABI PRIDE ハビ・プライド』(HABIとはフィリピノ語で織物という意味)というビナクルの魅力を伝えるブランドを昨年立ち上げました。
今回は念願かなって、私たちの布を織ってくれている織元であるサンノゼ協同組合の生産者に会うために、イロコスを訪問することができたのです。
●ラワグLaoagからサラット村 Sarratへ (2/27)
イロコス地方の道路はきれいに整備されており、まちや村の境界には、写真のようなゲートがつくられている。 道沿いは清掃が行き届いていて、家々の庭には花が植えられていて美しい。 |
●マルコス大統領の生家とビナクル織物
ビナクルのペダル式の織り機。釘は使わない組み立て式だそうです。 |
小さいながらも行き届いた博物館となっているマルコス母方の生家。
サラット村の誇りとしてマルコス大統領とビナクル織への深い愛情と敬意が感じられました。・伝統織物『ビナクル』の里3 サラット村Ⅱ に続く・・・・
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