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ちょっと悲しいビガン VIGAN  フィリピン通信17

マニラ在住のジャーナリスト穴田久美子さんからの通信をお届けします。<フィリピン通信17>

ちょうど2年前の2020年の2月、私たちも一緒にルソン島北部イロコス地方の織物工房を訪ねて旅をしました。世界遺産であり、観光地の古都ビガンは多くの人でにぎわっていましたが、現在、コロナの影響がとても深刻のようです。

 

ちょっと悲しい久しぶりのビガン(VIGAN)     穴田久美子

 

住民以外の訪問はPCR検査とワクチン接種が必要

私はNHKの番組コーディネーターを25年ほど仕事にしている。2019年2月下旬、NHKの「世界ふれあい街歩き」という番組で、世界遺産に選ばれている古都ビガン市でロケを行った。今回、久しぶりにこの番組の最後に1分ほど、「あの時、出会った人々はどのようにコロナ渦を過ごしてきたのか」と写真で近況を伝えることになった。現在、住民以外がビガン市に入るためには、72時間前のPCR陰性証明書とワクチン接種証明書の提示が義務付けられている。

 

コロナ禍の世界遺産古都ビガン

観光が主な産業となっていたビガン市は、ホテルやレストラン、土産店、馬車、トライシクルなどで働く人々の生活を脅かしていた。馬車のコチェロ(御者)の話だと、「昨日の客はゼロ、しかし馬と馬車の借り料が毎日300ペソ、さらに餌代250ペソは毎日の支出、客がゼロだったので、また借金。コロナ渦の前は馬と馬車の借り料は500ペソなので持ち主は割引してくれている。持ち主の中には馬を農耕用に売った人も多い。」辛い思いを語ってくれた。

織物産業も大きな打撃

取材の後、市場や土産店でビナコル織を探したが、見つからない。過去に購入できた店に行ってみたが「あれは観光客が購入していたもので、地元の人は求めない」とのこと、フィリピンで初めてノーベル平和賞を受賞した、マリア・レッサさんが授賞式でビナコル織のジャケット着て有名にした、と伝えても土産店の人はレッサさんのことも知らなかった。

binakol weaving

イロコス州の誇る伝統織物ビナコル。店頭にはわずか。

 

しかし40年前から骨董品店を経営しているルーシーさんは、先住民族の古い織物を扱っていて、レッサさんの写真を見せたら大喜び。「買ってくださる人がいれば、織れる人たちはいるから、探しましょう。」と言ってくれた。

アンティークショップを営むルーシーさん。

 

コロナ渦が終わったら、パクパク・ナティンの仲間とまたビガン市を訪ねたい。それまでルーシーさんと連絡をとりながら、再び「織姫」たちが頑張れるよう、できることをしていきたい。

 

 

 

 

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