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10.162025
モロッコの伝統工芸 ① 皮なめし工房を見学

伝統の皮なめし工房を見学
モロッコ 千年続く古都フェズにて 2025.10.15.
当団体のHAB I PRIDEのバッグの皮革部分は、日本が誇る環境に配慮した「栃木レザー」製。栃木レザーさんは、昔ながらの伝統手法で化学薬品を用いずに皮をなめしています。
ご縁あってモロッコ北東部のフェズを訪問しました。フェズでは、中世から続く伝統の皮なめし手法に出会いました。
フェズ旧市街は、千年続く古都(日本なら京都、奈良)で、世界遺産になっています。城壁に囲まれ900の路地が複雑に入り組み、迷宮都市と呼ばれ、多くの人々が昔ながらの生活を営んでいます。
中では100種類以上の手工業が営まれているそうです。

タンネリ・ショワラと呼ばれる皮なめし工房は今も主要な手工業。観光業にもなっています。中世13世紀から自然の恵みを活用した伝統手法が受け継がれ、昔も今も1500人の職人が手仕事に従事、生きた博物館?のような工房です。
技法の説明を簡単に記録します。

皮をなめす工程は約2カ月かかります。
1. 写真の端の白い桶は石灰と水💦。
山羊や羊、牛、虎(?)の皮を1週間つけて毛や皮下組織を取り除いてから洗います。
2. 白い桶 鳩のふんを集めた桶 アンモニア成分で皮を柔らかくします。皮は3日間このアンモニアにつけます。
3. 柔らかくなった皮を洗って干した後、染色の工程に入ります。染色は約25日間かかります。
4. 染色には自然由来の染料を使用しています。赤→ポピーの花 黄→サフラン 緑→ミント 青→インディゴ オレンジ→ヘナ など。
どの工程も職人さんが腰まで桶の中に入って行う過酷な作業であることがわかります。
5. 乾燥させてバッグ小物、コートなどの革製品に加工します。
こうした長い丁寧な工程を経て、柔らかくて耐久性のある品質のよい皮→「革」が生まれるのです。
露天の作業場なので、夏はアフリカの突き刺すような強烈な太陽が容赦なく降り注ぎ、冬は寒風にさらされ、職人さんたちの肉体にとっては想像を絶する負担だと思われました。

写真はカラフルなバブーシュ(サンダル)。上質なラクダの革を用いているそうです。草木染の発色の美しさとつややかさ。
工房のバブーシュの価格は市販の3倍くらい(約7000円)。見学の説明のお礼にと購入しましたが、後で購入した他店の安い山羊革と異なり柔らかくて匂いもなく上質なものだとわかりました。
モロッコでは、動物たちの命をいただいたあとに、手をかけて余すところなく利用するのだそうです。動物たちからの恩恵と職人さんたちの努力に感謝しながら大切に使いたいと思います。

鳩のふん–自然の恵みのアンモニア成分で皮をやわらかく
この写真は13世紀に築かれた城壁ですが、規則正しく四角い穴が開いています。これは、なんと「鳩のお家」鳩の巣のためなのだそうです。こうして鳩のフン(アンモニア)を集めていたとは。自然の恵み、資源を無駄なく利用して循環させる知恵には改めて感心するばかりです。
(今は城壁にはふんは見当たらなかったので、他の方法で回収されているのでしょう)。

見学のときに手渡されたミントの枝。皮の匂いが苦手な人はミントをかぎなさいということ。そんなに強烈な匂いはしませんでした。
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